今、見直されている味噌汁の健康効果は?(その1:塩分と減塩法)
日本の伝統食品である「味噌」は、主原料の蒸した大豆に麹菌(その素が米か豆か麦かの違いで3種あり)と塩を加えて発酵・熟成させた発酵食品です。この味噌から作られる和食には欠かせない味噌汁が、今その健康効果が見直され、ブームが到来していると言われていますので、紹介します。
まず気になるのが塩分です。白味噌に代表される甘味噌の塩分濃度は5%(NaCl 5g/100g)前後です。これに対して赤味噌や合わせ味噌のそれは10数%と倍以上になります。「減塩」を冠する製品も確かに塩分は通常品より少ないですが、要はどの味噌を使っても味見して味噌汁を作る限り、一杯中の塩分量はほぼ同じになります。つまり舌で感じるおいしい塩分濃度は0.8%前後ですので、味噌により塩味以外の味で多少の違いはあっても、大きな差にはならず、一杯(150mL)には1.2g前後の塩分が含まれていることになります。
では減塩するには、どうすれば良いのでしょうか?
減塩の基本は薄味に慣れることですので、味見をしながら味噌を加えていく場合には、少し物足りない塩気の時点で良しとすべきです。もし塩分○%カットのような減塩味噌を使う場合には、味見はしないで通常の味噌と同じ量を使うと、表示の通り○%の塩分がカットされます。つまり、通常味噌汁一杯の塩分量約1.2gが、30%カットの減塩味噌を上記の調理法で作ると、1.2×(1.0-0.3)=0.84 となり、0.36g程が減塩できることになります。
但し、味的な物足りなさに慣れなければ満足感を高める工夫が必要ですし、減塩なしでその効果が期待できる方法もありますので、代表的な2例を紹介します。
・薄味を補うには、旨味が効いた出汁(ダシ)や香辛料を使う
・具沢山にするとその分汁の量が減り、かつ具材には野菜やワカメ、芋類などのカリウムの多い食品を使うとNaの排出が期待できる
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)