Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

健康に良い塩分摂取とは?(その3:適塩に向けて)

先ずは前報での減塩のコツをもう少し実例で具体的に示します。
国の研究機関が昨年発表した塩分摂取ランキングでは、カップ麺が1位で5.5/日でした。ある当該製品の表示では、麺・かやく2.1g+スープ4.0g=6.1gとなっています。つまりスープを飲み干すか残すかで、塩分摂取量に差が出ることが判ります。次に()塩調味料」の使い方のケアレスミスを紹介します。これらの製品パッケージには“塩分○%カット”と表示されていますので、これさえ使えば減塩できると思うかもしれません。実際には調味料ですから、味見しながら適量を入れませんか?これでは好みの塩分濃度になるので、減塩はできません。味見をせずに通常品と同じ量を使うか、味見するのなら薄味を意識しないと減塩には結びつかないのです。
 
また塩分の摂り過ぎとは主成分のNaCl(塩化ナトリウム)の内のナトリウムの摂り過ぎを意味しますので、食塩そのものの約半分をKCl(塩化カリウム)に置き換えた減塩製品(やさしお、ヘルシオ)も市販されています。KClにも質はやや落ちるものの塩味があり、手軽な代用品になります。ただカリウム摂取制限の人に対しては量的な注意が必要です。


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近年、「適塩」と言う言葉が目を惹くようになっています。既報の厚労省の設定値(78)WHO5gは、あくまでも万人向けの目標値であり、個人により食生活のあり方はもちろん、塩分感受性や汗の掻き方など千差万別です。また入口の摂取量だけでなく、出口の排泄量も考慮する必要があります。塩分を十二分に摂取していても、体内で利用後に汗や尿として排泄すれば良いわけです。要するに個人の状況に応じた塩分の摂り方(適塩)があるはずです。

ここでは、健康のための適塩は6g前後/であるとして、対処するのが現実的である、としておきます。むやみに塩分を減らして味気ない食事をするのではなく、自分に合った工夫をして、豊かな食生活にしてください。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)