今、見直されている「漬物」の健康効果
和食の基本として、昔から「一汁三菜」と言われます。主食であるご飯に味噌汁、主菜(おかず)に副菜二品という組み合わせですが、そこに必ず香の物(漬物)が添えられていました。漬物は日本人には伝統的な食べ物ですが脇役でしかなく、近年では塩分過多の心配から敬遠されているようです。
本報では、そんな状況にある漬物のメリットを改めて紹介したいと思います。
漬物の材料と言えば主に野菜です。野菜の1日摂取量として350gが推奨されているが、成人男女の平均摂取量では60g程不足しています。生野菜のサラダは手軽ですが、そう多くは摂れません。
そこで、漬物がクローズアップされるのです。漬物にすると、1)幅広い味付けができ保存性も増して食べやすくなる、2)カサが減り非加熱で栄養効率が良い、3)物により発酵した乳酸菌で腸活に効く、4)口直しや箸休めで食が進む、等のメリットが出てきます
代表的な漬物とその特徴を挙げます。
・浅漬け:その名の通り、最も時間も手間もかからず簡単に作れる漬物。市販の浅漬けの素を利用しても良いですし、数種の野菜と塩昆布があれば混ぜるだけで作ることもできます。新鮮な旬の野菜が、栄養 (食物繊維、ビタミン類、ミネラルなど) を逃がさず塩分控えめで、かつ美味しく摂れます。
・糠(ぬか)漬け:米ぬかを乳酸菌で発酵させたぬか床に、ほぼ一晩野菜を漬けたもの。ぬかのビタミンB1が漬物にしみ込み豊富で、植物性乳酸菌による腸活も期待できます。
・麹漬け:米麹に砂糖や塩を混ぜた床に、野菜などを漬けたもの。発酵した麹の風味や旨味が材料にしみ込み、自然な甘味が特徴と言えます。大根のべったら漬けが有名です。
最後に、塩分の問題に触れないわけにはいきません。当該ブログ(健康に良い塩分摂取とは?)で、適塩は6g前後/日であると紹介しました。高塩の代表は梅干しで、20%になるものもあります。浅漬け等の低塩ものでは、2%前後です。近年、梅干しもそうですが、減塩や低塩を謳った製品も多く見受けられます(保存性は低下)。必ず、栄養成分表示等で塩分量を確認してから摂ってください。
漬物は食欲を昂進し有効成分も摂れる優れものです。是非、食卓に添えて健康の手助けにしましょう。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)