Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

国民食の「カレー」、スパイスの効能と具材の選択は?

誰もが好きでお馴染みの国民食として、まず浮かぶのは「カレー」ではないでしょうか。

そのカレーの定義は、最も単純には「複数の粉末香辛料を混合させて作ったソースを用いた料理」ですが、ポイントは複数の香辛料(スパイス)を用いている点で、食べる漢方薬と言われる由縁でもあります。

 

そこで本報では、カレーに使われる各種のスパイスを取り上げ、それぞれの効能やその効能を活かすカレーの具材を紹介します。

 

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1)カレー粉の主原料で色づけに使われるスパイス

ーメリック:黄色でウコンとも言われる。クルクミンという成分が、肝機能強化と共に免疫力向上、抗炎症や抗酸化の他にも、近年認知症の予防に効果が判明。

2)香りづけのスパイス

ミン:カレー特有の香りを早く出して辛味もある。消化促進や解毒作用を有す。

リアンダー:フローラルな香りでとろみも付ける。消化を助けて食欲増進作用もある。

・カルダモン:清涼感のある爽やかな香り。防腐作用があり、消臭効果も期待できる。

クローブ:和名は丁字でバニラに似た香り。抗酸化作用による老化防止や消化促進効果あり。

・ガーリック:刺激的な香りでカレー全体の風味付けに利用。抗菌作用や疲労回復に効果的。

3)辛味のスパイス

・唐辛子(チリ):カレーの辛味を決めるスパイス。カプサイシンという成分が脂肪を燃焼させて発汗を促し、消化や血行の促進作用もあり。

・胡椒(ペッパー):爽やかな香りと共に強い辛味をもち、ブラックとホワイトがある。健胃や食欲増進の効果あり。

 

以上、代表的なスパイスを紹介しました。それぞれの市販品で独自のカレー粉作りにチャレンジしてみてください。より手軽にはグレイビーなるスパイスカレーの素(印度カリー子のレシピ:上記スパイスの頭文字タ・ク・コ入り)の作り置き(冷凍保存1ヶ月)がお勧めですし、ケースバイケースで辛味スパイス等を加えてアレンジできるメリットもあります。

 

最後は、カレーに入れる基本スパイス以外の具材について考慮すべき点です。

ターメリックのクルクミンは吸収され難いので、ココナッツオイルを混ぜると良いですし、さらにブラックペッパーを加えると吸収率が増します。肉系以外の具材では亜鉛が多い牡蠣や付け合わせには酸味のあるピクルスもお勧めです。

 

いずれにしてもカレーは、スパイスや具材のアレンジを楽しみつつ健康も目指せる優れた料理ですので、食べ過ぎだけには注意して、大いに活用しましょう。

(この情報の一部は、所さんの目がテン!:おうちで作る本格スパイスカレー(日本テレビ系(2021.3.28))を参考にしました。また、本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)