Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

ブームが続く「ほうじ茶」は緑茶の仲間、その効能は?

当該ブログの前報(2022.1.21)で、茶の種類は同じ生葉で発酵が異なることを紹介しました。その中で、緑茶の仲間として煎茶・玉露・抹茶は出てきましたが、ほうじ茶には言及しませんでした。

 

そこで本報では、ブームが続いている「ほうじ茶」について、改めて紹介します。

 

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まず「緑茶」についてです。正確には発酵しないお茶のグループ名で、煎茶が代名詞のように使われていますが、その中に色が緑ではない「ほうじ茶」も含まれます。

 

ほうじ茶は煎茶や番茶を強火で焙煎したお茶で、独特の甘い香りが引き出され、後味もすっきりしていて飲みやすいのです。

 

ほうじ茶に含まれている主な成分とその効能を挙げますが、その前に煎茶との浸出液での比較(日本食品成分表,八訂(2021年版))を表示します。

     

茶/成分

タンニン

  カフェイン

ビタミンC

  (単位)

               (mg/100g)

煎茶

    70

       20

   6

ほうじ茶

    40

       20

        Tr

 

 ・ピラジン煎茶にはない香り成分アミノ酸と糖が焙煎時の加熱により生成 → リラックス作用(ストレス緩和効果)、血行促進作用(冷え性改善効果)など

 ・カテキンポリフェノールの一種でタンニンと呼ばれてきた苦渋味の成分 → 抗酸化作用、血中コレステロールや体脂肪の低下、がん予防、抗菌作用など

 ・カフェイン:苦味に寄与 → 覚醒作用、利尿作用など

なお、高温で焙煎した茶葉を熱湯で淹れるので、旨味成分のテアニンやビタミンCは微量含まれるのみです。

 

そもそもほうじ茶ブームは、2015年に発売された「加賀棒ほうじ茶」が火付け役と謂われており、その後各社が追随して様々なペットボトル茶が販売され、お茶だけでなくラテ系やアイスにまで広がりを見せています。

 

家庭でも簡単にできるホットほうじ茶ラテはいかがでしょうか。

→ 熱湯で淹れたほうじ茶1に対して温めた牛乳3の割合で混ぜ、好みで砂糖やシナモンパウダーを加える。すっきりした味わいにしたければ、ほうじ茶3:牛乳1にすると良い。

 

最後に、基本の飲料としてのほうじ茶に話を戻すと、ゴクゴク飲める止渇性の飲み物でもあり、食事や甘い物にも合う飲み物でもあります。ほうじ茶特有の成分であるピラジンの効能にも期待して、今の時期に意識して嗜んでみてはいかがでしょうか。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)