Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

緑茶の中で最も健康効果が高いのは、断然「抹茶」!

緑茶が健康に良いことは周知されていますが、一口に緑茶と言っても、玉露から煎茶、番茶などと種類が豊富ですが、中でも抹茶は少し異色の存在です。

すなわち抹茶は、碾茶(てんちゃ)という覆下園で栽培された茶葉を石臼で挽いた粉末です。

 

本報では、抹茶の健康効果の高さを改めて紹介します。

          

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煎茶などの普通の淹れ方では、当然、茶殻は残して浸出液のみを飲むので、茶殻に残る成分(下表)は摂取できません。

 

   

遊離アミノ酸

カフェイン

カテキン

カロテン

V.C

V.E

 鉄

 (単位)

  (mg)

  (mg)

 (mg)

 (μg)

(mg)

(mg)

(μg)

  浸出液

    80

  80

140

 0

10

 0

240

   茶殻

    20

  80

360

720

  5

 4

960

 

                (煎茶6g+湯70℃170mL - 2分浸漬 → 145mL+茶殻)

 

浸出液中に含まれるのは水溶性の成分で、疎水性の強い成分であるカテキンやカロテン、ビタミンE、鉄などは茶殻の方に多く残るのが判ります。

 

抹茶は、その粉末をお湯に懸濁させ(混ぜ)る淹れ方で、できた液体を全て飲むので、茶殻に残る成分も摂取できることになり、最強の健康効果を発揮できるわけです。

 

では主な抹茶含有成分の健康効果を見ていきます。

 ・テアニンアミノ酸に属する旨味成分で、陽除けして育てられる抹茶(玉露も)には煎茶より多量含まれ、リラックス効果あり

 ・カテキンポリフェノール類の渋味成分で、抗酸化作用・血糖上昇抑制作用・肥満予防作用等あり

 ・カフェインアルカロイド類の苦味成分で、覚醒作用・利尿作用・脂肪燃焼効果等あるが、過剰摂取には注意

 ・サポニン:抹茶の泡を作る成分で、抗菌・抗ウイルス作用あり

 ・その他、ビタミンA(カロテン)・C・Eの効果も見逃せません。

 

抹茶は粉末なので、普通にお湯と混ぜて飲む以外にも、多様にアレンジして摂取できます。

 ・牛乳や豆乳に混ぜてラテにする・スムージーやヨーグルトに混ぜる・スイーツに混ぜる(多彩な市販品あり)・塩と混ぜて味付け(おにぎり等)に使う等々

 

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今では抹茶以外にも、「食べるお茶」と称する粉末緑茶が多数市販されています。

茶葉は浸出液を飲むだけでなく、丸ごと食べること(粉末)も意識して食生活に活かし、その健康効果を実感してみてはいかがでしょうか。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)