伝統食材「梅干し」には2種類あり、夏場にはうってつけ!
「梅」の収穫時期になりました。この時期の雨によって梅の実が熟すことから、梅雨(つゆ)と呼ばれるようになったとか。
「梅干し」が伝統食材と謂われる所以は、平安時代に書かれた日本最古の医学書に梅干しの効能が取り上げられていて、戦国時代には携帯食として重宝され、かつ江戸時代には庶民の間にハレの日の福茶(梅干し入り)として広まったからです。
当該ブログでも「梅の健康効果」として配信済み(2020.8.29)ですが、本報では改めて「梅干し」としてクローズアップします。
梅干しとは、梅の実を日干しして塩漬けにした物をいい、日干しせずに塩漬けした物は梅漬けと呼ばれます。
梅干しに適した代表的な梅の品種は「南高梅」です。皮が薄くて果肉が柔らかい上に、種が小さいので食べ応えがあります。
梅干しの規格としては、「梅干し」と「調味梅干し」の2種類があります。
・梅干し:古来からの製法で作られた原材料が梅と塩のみの物。塩分濃度は20%前後と高く、強い塩気と酸味がある。
・調味梅干し:上記の梅干しを塩抜きし、シソや昆布さらに食品添加物等の調味料で漬け込んで味付けした物。減塩のニーズに合い、かつ食べやすい。
市販の上記2種類の商品表示を見比べてみると、次の様です。
左の梅干し(しそ梅)は、梅と塩以外には紫蘇のみで、塩分は18.9%と高い。
一方右の調味梅干し(昆布風味)は梅・塩・昆布エキス以外にも、砂糖等の糖質系甘味料に人工甘味料、さらに調味料や酸味料等も添加されていて、塩分は7.4%です。
塩分の過剰摂取が問題視されて久しく、健康のための適塩は1日に6g前後と言われています。
梅干し1粒の可食部は10g前後で、前者の梅干しでは塩分2g弱になるので、1日に1粒がせいぜいです。普段できれば、多少の塩抜きをしたり、塩味調味料を兼ねて料理に使ったりして食べるのがベターでしょう。
では減塩タイプの調味梅干しがお勧めかというと、一概にそうは言えません。
調味梅干しは、梅干しを塩抜きしてから化学調味料等から成る調味液に漬けて作られ、塩分が少ない分保存性も下がります。塩分は5%~10数%と様々で、調味液等の添加物も千差万別なので、表示を注視して選択すべきです。
いずれにしても梅干しの効能は、ことわざで「一日一粒で医者いらず」や「梅は三毒を断つ」などと謂われています。実際、酸っぱい成分のクエン酸には疲労回復や食欲増進効果の他に食中毒予防効果もあり、また高塩分も汗で失われた分の補給になり、特に夏場にはうってつけと言えます。
より具体的な他の効能や摂り方は、冒頭の配信済みブログで確認して頂くとして、最後に、夏バテ・熱中症予防効果の飲み物として注目の「梅干しミルク」(*)を紹介します。
・材料:梅干し 1粒(正味10g,塩分1g)、砂糖 大さじ1+1/3杯、牛乳 200mL
・作り方:梅の果肉をペースト状にしてグラスに入れ、砂糖(蜂蜜で代用も可)を加えて混ぜ合わせる → 冷えた牛乳を注いでよく混ぜてから飲む
これがあくまでも基本で、梅干しの塩分の違いにより甘味料の量も自分好みに合わせれば良いので、是非、試してみては如何でしょうか。
((*)毎日が発見ネット:梅干しミルク(2021.8.1)より引用・改編しました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)