パイナップルの日(8/17)に因み、その健康効果+αを紹介
パイナップルの日(8月17日)は、「パ(8)イナ(17)ップル 」という語呂合わせで、果物販売のドール(Dole)が制定したものです。
パイナップル(pineapple)という名前は、見た目が松かさ(pine)、味がリンゴ(apple)に似ていることから名付けられました。
また黄色い可食部は果実ではなく花托(かたく)が肥大化したもので、果実は表面の硬いうろこ状のところです。
では、パイナップルの栄養・健康成分(生:100g当たり)について挙げます。
・エネルギーは54kcalと低めです。炭水化物は13.7gですが、糖質(甘味)が大半の12.6gで食物繊維を1.2g含有
・ビタミン類では、B1やB2の他にC(35mg)も豊富
・ミネラル類では、カリウムの他にはマンガン(Mn)が多いのが特徴的
・酸味としてのクエン酸
これらの含有成分に伴って期待できる健康効果は、次ぎ様です。
・疲労回復(V.B1,B2,クエン酸)・便通改善(食物繊維)・美肌(V.C)・むくみ予防(K)・アンチエイジング(V.C,Mn)・食欲増進(クエン酸)
なお、エネルギーや糖質はバナナの約6割程度ですが、GI値は65とやや高めなので、一度のどか食いは避けるべきです。
さらにパイナップルに特有な成分として、タンパク質分解酵素のブロメラインが注目されます。
ブロメラインは、肉などのタンパク質を分解して軟らかくし、口に入れると舌をヒリヒリさせますが、生の場合に限られた作用で加熱(60℃以上)すれば失われます。
缶詰の物も働きません。酢豚などで肉の軟化を期待するのであれば、予め生の物を生肉に混ぜておくことです。
1日の推奨摂取量は100g程で、カット物では5,6切れまでにしましょう。食べ過ぎると、体を冷やしたり血圧を下げたりするので、注意が必要です。
最後に、近年人気が高まっている「スナックパイン」を紹介します。
やや小ぶりで酸味が少なくて甘く、ブロックごとに手でちぎってスナック感覚で食べられるのが特徴です。
いずれにせよ、夏の体調管理にはピッタリのフルーツなので、食べ過ぎには注意しながら、朝からでも生のカット物やスムージーでの摂取を勧めます。
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新型コロナウィルスのmRNAワクチン(ファイザー & モデルナ)とは?
コロナ禍でワクチン接種の情報が毎日のように流れていますが、その新型コロナウィルスワクチンの中で、ファイザーとモデルナの製品はメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンと言われています。
mRNAと言う単語は、高校の生物を履修すれば遺伝の項で出てきますが、多くの方は?でしょう。
そこで本報では、食と少し離れますが、mRNAやそのワクチン・薬について紹介します。
まずmRNAについてですが、メッセンジャーリボ核酸と言って遺伝に関わる物質です。遺伝情報は「DNA→(転写)→mRNA→(翻訳)→タンパク質」の順に伝達されるので、mRNAはタンパク質を作る情報を有していることになります。
(生物系大学生の生存戦略のHPより引用)
さてワクチンとは、
a)古いタイプ:病原体(抗原)そのものを弱毒あるいは無毒化した物
b)新しいタイプ:病原体を構成する物質を元に作った物
のいずれかのことです。
前置きが長くなりましたが、新型コロナウィルスのmRNAワクチンとは上記のbに相当するワクチンで、ウィルスの表面にあるスパイクタンパク質を作る情報を持つmRNAを人工的に合成した物です。
このワクチン接種で、体内にスパイクタンパク質の中和抗体ができるので、ウィルス(抗原)に接しても免疫反応(抗原抗体反応)で細胞内への侵入(感染)を防ぎ、発症には至りません(下図参照)。
(東京ミッドタウンクリニックのHPより引用)
但し、ワクチン接種して免疫が出来ても発症予防効果が100%ではありません。最も高い予防効果が得られるのは2回目接種後7日程度経って以降ですが、有効率(アルファ株が主流?)は約94,5%と報告されています(厚労省のHP)。
では主流の変異株がデルタ株である7月の時点での感染予防有効性はと言うと、モデルナ製は年初の86%から76%に、ファイザー製は76%から42%にそれぞれ低下したが、重症化予防の側面では両者とも高い有効性を維持していたとのことです(アメリカの研究:日本経済新聞8月12日夕刊)。
WHOが名付けたコロナウィルスの変異株は、懸念すべき4種(アルファからデルタまで)に加えて、注目すべき変異株まで入れると11種(ラムダ株まで)存在する状況にあり、ワクチンの効果持続期間についても3回目接種の是非が問われていますので、今後の情報に関心を持って接してください。
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夏バテの予防・対策法としての「食事」を詳しく!
夏バテの原因とその解消法(主に食事法)については、一昨年に配信済み(2019.8.1)ですので、先ずはその内容を確認してください。
その中で食事に関する内容を再掲して、より詳しい情報(→)を提供しようと思います。
・適切な水分とミネラルの補給:脱水対策として、大量の水のみの補給は水中毒や低ナトリウム症を引き起こし危険です。状況に応じて塩分さらには糖分の補給(経口補水液やスポーツドリンクなど)をしてください。
→ 経口補水液やスポーツドリンクの詳細については、当該ブログの“水分補給に「経口補水液」、スポーツドリンクとの違いは?”(2021.7.30配信)を見てください。
・良質なタンパク質を含む栄養バランスの採れた食事:肉・魚・大豆・卵などを主菜に、新鮮な野菜・果物・海苔で、特に失いやすい水溶性ビタミンのB群とCを補給しましょう。
→ 1)タンパク質が不足すると、筋肉量が減少して基礎代謝も落ちてしまうので、良質の食材をしっかり摂る必要があります。
タンパク源としては脂肪の少ない物がベターで、肉ならモモやささ身を、乳製品なら低脂肪や無脂肪を選んでください。
2)ビタミンB1(疲労回復)やビタミンC(免疫力向上)、ミネラル特にカリウム(夏バテ解消)が必須で、水溶性のため体に留め置くことが出来ないので、毎日小まめに摂らないといけません。
・香辛料や酸味(料)で食欲増進:唐辛子・生姜・胡椒・ワサビなどの香辛料は体も温めますし、クエン酸(梅干し・レモン等柑橘系)は疲労回復やミネラルの吸収にも役立ちます。
→ 1)香辛料、特に辛いスパイスは最初暑く感じるが、汗をかくことで結果的には体温を下げてくれるし、刺激成分により胃腸の働きを促します。
2)酸味のあるクエン酸は、糖質をエネルギーに変えたり疲労物質の乳酸を取り除く効果があり、夏には酸っぱさが食欲増進にも繫がります。
・抗酸化食品の摂取:強い紫外線を浴びて増加した活性酸素による全身の機能低下を予防・回復のため、特に色の濃い夏野菜(トマト・ナス・ピーマン等)を皮ごと食べましょう。
→ 夏野菜の詳細については、当該ブログの“夏場の体調管理には、旬の夏野菜を!”(2021.7.2配信)を見てください。
いずれにしても夏の暑さの続く中で、食欲不振や消化機能の低下も起こりますが、1日3食をきちんと摂ることが最も重要です。
それも沢山食べれば良いわけではなく質を重視し、消化の良いたんぱく質(肉・魚・卵・大豆6乳製品など)とビタミン(夏野菜や果物)、ミネラル(海藻や夏果物)のバランスの摂れた食事を実践しましょう。
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水分補給に「経口補水液」、スポーツドリンクとの違いは?
熱中症予防には水分補給が重要で、身体状況に応じた対策(何を、何時、どれだけ飲む)については、当該ブログでも配信(2020.8.21 & 2021.7.23)しましたが、その中で「経口補水液」は紹介のみに留まっていました。
そこで本報では、経口補水液の詳細について紹介し、スポーツドリンクとの違いについても言及します。
先ずは経口補水液(例:OS-1)と、一足先に普及が進んだスポーツドリンク(例:ポカリスエット)の成分的な違いは次のようになります(但し、炭水化物の大半は糖質)。
成分 |
エネルギー |
炭水化物 |
食塩相当量 |
(単位) |
(kcal) |
(g) |
(g) |
ポカリスエット(100mL) |
25 |
6.2 |
0.12 |
OS-1(100mL) |
10 |
2.5 |
0.29 |
つまり、スポーツドリンクは食塩などの電解質濃度が低くて糖質濃度(エネルギー)が高いのに対して、経口補水液は電解質濃度が高くて糖質濃度が低いのが特徴です。
スポーツドリンクは、発汗に伴う水分と電解質に加えて糖によるエネルギーの補給をスピーディーに行い、体の疲労回復を助けています。
経口補水液は、水に食塩(NaCl)と糖を一定の割合で配合することにより体液とほぼ同じ浸透圧にして、体への吸収を高めているので脱水症状の改善には最適です(決して美味しいとは言えませんが・・・)。
経口補水液は、市販品としてペットボトルやゼリー、粉末もありますが、手作りで簡単に作ることも出来ます。
砂糖 40g + 食塩 3g + レモン果汁 50mL → 水で1L
水分の吸収率を高めるには、1L中にブドウ糖として2%必要なので、ブドウ糖が半分含まれている砂糖は4%で40g要るが、単体のブドウ糖(市販品あり)なら20gで良くて甘味もエネルギーも控えられます。また、果汁を入れることで美味しくなりカリウムの補給にもなります。
但し、糖が入っており無菌でもないので飲めるのは1日の内で、凍結保存や他の液体を混ぜることも避けるべきです。
結論として、軽いスポーツ時の水分補給にはスポーツドリンクで良いのですが、多量の発汗を伴う場合や熱中症による脱水の場合には、迷わず経口補水液(がぶ飲みせず小まめに)を活用しましょう。
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コロナ禍の熱中症対策、暑熱順化と水分補給は?
梅雨が明けて本格的な夏の訪れと共に気をつけないといけないのが、「熱中症」です。その予防対策としては、暑熱順化と水分補給が挙げられます。
例年であれば、暑熱順化つまり体が暑さに慣れることはほぼ自然に出来ていたのですが、コロナ禍で外出がままならない中では、それが出来ていない可能性が大です。
そこで本報では、まず暑熱順化に有効な方法を確認します。要するに「汗をかく」ことです
・ウォーキングやジョギング:週に5回、1回に付き前者は30分で後者は15分程度
・サイクリング:週3回、1回30分程度
・筋トレやストレッチ:ほぼ毎日、1回30分程度
・入浴:2日に1回、38~40℃のお湯に10分以上浸かる
これらの方法を複数組み合わせて、10日から2週間程度続けることで暑熱順化が出来るはずですが、個人差がありますし、数日汗をかくことをしないと効果が無くなります。
特にコロナ禍では、屋外での前2者の方法が採りにくいので、屋内で出来る後2者の方法に頼らざるを得ません。
暑熱順化がすすむと、発汗による気化熱や体の表面から熱を逃がす熱放散がしやすくなります(下図参照)。
もう一つの熱中症予防は「水分補給」です。
水分補給と言っても、単に水や麦茶をがぶ飲みすれば良いわけではないし、「喉が渇いた」と感じてからでは手遅れなのです。
特にコロナ禍のマスク着用で、皮膚からの熱が逃げにくくなっており、脱水症状を引き起こしかねません。
この水分補給に関しては、当該ブログで昨年配信しています(2020.8.21)ので、確認してください。
熱中症は、その初期症状が新型コロナウィルス感染症と見分け難いのですが、気温や湿度が高い環境下で発症(コロナは人との接触感染)して急速に悪化する危険があります。
その予防対策をしっかり取って、この夏を無事に乗り切ってください。
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夏野菜の「トマト」は、リコピン効果で優れた食材
当該ブログの既報で夏野菜を意識して摂ることを推奨し、そこでも一部紹介した「トマト」ですが、本報ではさらに詳しい情報に言及します。
トマトは、昔から「トマトが赤くなると医者が青くなる」と謂われており、特に旬の夏場には健康に良い成分が豊富になって、それを食することで医者いらずであったことが覗えます。
トマトを象徴する成分は「リコピン」ですが、それ以外にも種々の健康・栄養成分が含まれているので、順
に挙げていきます。
・リコピン:カロテノイド(赤・オレンジ・黄の色素)の一種で、強い抗酸化作用
・ペクチン:水溶性食物繊維で、整腸作用
・GABA:アミノ酸の一種で、血圧上昇抑制やリラックスに効果
・その他、ビタミン類でCやE、β-カロテンに抗酸化作用、ミネラルのカリウムに余分なナトリウム(塩分)の排出作用
これらの含有成分から得られる健康効果は次の通りです。
・老化予防(アンチエイジング)・疲労回復・ダイエット・美肌・便秘解消・血圧低下など
夏場では特に、夏バテからの疲労回復や日焼けからの肌ケア(美肌)の他、水分補給や体温低下(食べ過ぎには注意)の効果も期待できます。
トマトの食べ方ですが、特に強い抗酸化力(ビタミンEの100倍とも)をもつリコピンの効率良い摂り方に焦点を当てて紹介します。
まず、生で食べるよりも加熱調理をした加工品の方が吸収しやすく、さらに油や牛乳と一緒に摂ることでより吸収率がアップします。最も手軽にはトマトジュースの牛乳割りがお勧めです
また夏には冷やした生を皮付きで食べることも多いでしょうが、大や中玉のカットよりもミニサイズを使う方が栄養的かつ咀嚼的に優れています。
リコピンの1日の摂取目安量は15~20mgです。100g当たりで生食用が3~5mg、加工用で10mg程なので、生食ではトマト300g程(普通サイズは1個150~200g)が目安になりますが、高リコピンの加工用(ピューレやケチャップ等)を調理に利用すると良いでしょう。
いずれにしても、夏野菜を代表するトマトは多くの健康効果がある優れものです。丸ままの生や潰してジュースやスープ、さらに加工調理して煮物や炒め物にするなど、大いに活用して夏を乗り切りましょう。
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7月10日は「納豆」の日、その効果と食べ方は?
7(なっ)と10(とう)の語呂合わせで制定されたこの日ですが、その発祥は、関西での「納豆」の消費拡大が目的であったとか。それが1992年に全国納豆共同組合連合会が正式に制定して、全国的な記念日になりました。
当該ブログでも既に、2報に渡って納豆の健康効果を紹介(2020.7.11 & 7.17)しましたが、改めて記念日にその効果と食べ方を更新リブログします。
「安い・美味しい・ヘルシー」と三拍子揃った納豆ですが、その消費額もここ10年程は増加の一途で、ほぼ3割増しになっています。
当然、納豆は新製品の開発も盛んで、進化を遂げています。
・匂わない納豆:匂いの原因物質を作らない納豆菌を探索
・手が汚れない納豆:タレ袋に工夫を凝らした。
・粘らない納豆:糸を引いてこその納豆を逆手にとり、主に海外への市場開拓を狙った
・免疫力を高める納豆:免疫力の高い「S-903」菌を使い、タレには乳酸菌も配合
・その他、タレも多様化しており、また苦手の人用にカプセルに入った「そのもの納豆」やパウダータイプの「こな納豆」という製品もあります。
健康効果については、新たに医師1000人強に聞いた調査結果(*)を紹介します。「納豆を食べることで期待できる効果のうち、評価するものはどれですか?」と質問した結果(順位)です。
1.整腸作用(納豆菌) 2.免疫力アップ(納豆菌) 3.血栓の予防(ナットウキナー ゼ) 4.感染症・アレルギー予防(納豆菌)5.解毒・抗菌作用(納豆菌) 6.骨折の予防(ビタミンK2) 7.更年期症状の改善(大豆イソフラボン) 8.高い栄養価 9.アンチエイジング効果(ポリアミン) 10.血糖値上昇の抑制(ポリグルタミン酸)
最後は、食べ方についてです。
賞味期限がギリギリに近いほど旨味が増し食べ頃。また冷蔵保存した物を30分程かけて常温に戻してから食べる。
食べる際には50回程かき混ぜて粘りを充分に出す(ポリグルタミン酸の作用)。またタレの薬味は、カラシよりワサビ(イソチオシアネートの作用)の方がベター。
朝か夜かと言われれば、夜の方が効果的(睡眠中にナットウキナーゼが作用、成長ホルモンが分泌)。
1日に食べる量は100g程度までなら毎食3回食べても大丈夫(納豆以外にも大豆製品を多く摂っている人は、少し控える)ですので、味や食べ方のバリエーションを工夫して、納豆の健康効果を体現してみてはいかがでしょうか。
((*)そのもの株式会社:納豆は体にいいはホント!? (PRTIMES,2020.4.24)。また、本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)