Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

手頃な節約食材「もやし」は、上手く活用を!

当該ブログの前報で 「発芽野菜(スプラウト)の健康効果」 を配信しましたが、その中でかいわれ系ともやし系があることを紹介しましたが、もやし系の詳細までは記しませんでした。

そこで本報では、手頃な節約食材である「もやし」について、改めて紹介します。           

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そもそももやしとは、植物の固有名ではなく、主に穀類や豆類の種子を暗所で水に浸して発芽・成長させた野菜で、名前の由来は「萌やし」(新芽が伸びる)から来ています。水耕栽培で生産されているので旬はなく、安価で一年中出回っています。

 

もやしは主に3種類あり、一般的な緑豆もやし、やや細いブラックマッペ(黒豆)もやしに豆が付いている大豆もやしです。

 ・緑豆もやし:流通量が国内最大で、やや太くて味に癖がない

 ・黒豆もやし:緑豆もやしより細めで、ほのかな甘味がある

 ・大豆もやし:豆が付いたまま食べ、独特の味と食感がある

 

もやしは大半が水分(90数%)なので、カロリーは低く栄養もほとんどないと思われがちですが、意外と様々な栄養が含まれています(100g当たり)。

                エネルギー   タンパク質  食物繊維  Ca     葉酸      V.C
    (単位)       (kcal)  (g)   (g)  (mg) ( μg)  (mg)
 緑豆もやし(生)           15            1.7          1.3          10       41           8
 大豆もやし(生)           29            3.7          2.3          23       85           5
 大豆もやし(ゆで)       27            2.9          2.2          24       39           1
 ミックスベジタブル(冷凍)   67            3.0          5.9          19       50           9

 

もやしと言えばビタミンCと言われていますが、ほとんどない元の豆から見れば増えるからで、決して多いとは言えません。他には食物繊維、カルシウム、葉酸などがありますが、絶対量としては野菜類の中で多い方ではありません。またタンパク質を構成しているアミノ酸アスパラギン酸が豊富(アスパラガスと同量~倍)なことは余り知られていません。

 

注目は「大豆もやしの生」で、ミックスベジタブル(冷凍)と比較してもエネルギー以外は遜色ないことが判ります。ただ茹でてしまうと水溶性成分が失われるので、熱処理は炒めるか電子レンジにすべきでしょう。さらに子大豆もやし(サラダコスモ製)が機能性表示食品として市販(付加価値でやや高価)されていますので、要チェックです。

 

もやしは生鮮野菜なので消費期限を表示する義務がありません。日持ちがしないので、パッケージのままなら直ぐに冷蔵(できれば穴を開けてチルドルームに)し、2,3日のうちに使い切るべきです。もし買い溜めして長期に保存したければ、一度水洗いをして水気を切ってから袋に入れて冷凍するのがベターでしょう。

 

もやしの市販品(常に数種類あり)は、200g入り数十円~百円迄のお手頃価格で手に入ります。

ナムルなどのメイン料理の他にも、多彩な料理の添え野菜として重宝すると思いますので、是非、有効活用してみてください。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)