Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

緑茶、紅茶、ウーロン茶は、同じ茶葉なのに何が違う?

俗に「お茶」と呼ばれる飲み物は、同じツバキ科の茶の木(カメリア・シネンシス)の生葉を原料に加工して作られています。緑茶、紅茶、ウーロン茶プアール茶もそうです(もちろん、麦茶など例外はありますが・・・)。

ではなぜ色や香り、味などが違うのかというと、加工法、つまり発酵の方法や度合いが異なるからです。

本報では、そんな茶類の加工法の違いや効能などの特徴を紹介します。

           

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先ずは加工法の違いですが、端的には次の図を見てください。

 

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             (tea-sanrokuen.comより引用)

 

 ・緑茶(不発酵茶):最初に蒸す工程で生葉の酸化酵素が失活して発酵せず、ほぼ生葉の状態を維持。

 ・ウーロン茶(半発酵茶):生葉を放置して萎れさせ酸化酵素を働かせて、茶色に変化し始めたら高熱で炒って発酵を止める。発酵度が10~80%まであってバリエーションが豊富。

 ・紅茶(発酵茶):生葉を萎凋後揉むことで傷つけ、発酵を促進。適度な色・香りになったら高温の熱風で乾燥させて発酵を止める。

 ・プアール茶(後発酵茶):緑茶と同様に生葉を熱して発酵を止めた後、麹菌によって発酵を促し熟成。

 

次に茶類に含まれる主な成分とその効能(健康パワー)です。

 ・カテキンポリフェノールの一種でタンニンと呼ばれてきた苦渋味の成分。酸化されやすく、緑茶では変化しないがウーロン茶や紅茶では酸化重合物になり、色が無色から褐色、赤色になる。

 → 抗酸化作用、血中コレステロールや体脂肪の低下、がん予防、抗菌作用など

 ・カフェイン:苦味に寄与。緑茶の玉露や抹茶には多いが、煎茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶、プアール茶には大差なし(数十mg/100mL浸出液)。

 → 覚醒作用、利尿作用など

 ・テアニンアミノ酸の一種で旨味成分。日光を遮って栽培した葉の玉露や抹茶に多く、低温で抽出率が大。

 → リラックス作用、睡眠促進作用、集中力向上作用、カフェインの刺激作用阻害効果など

 

全般的な茶類(緑茶の中でも別格な玉露と抹茶を除く)は、これらの主要成分に桁が違うほどの含有差はないので、効能も大差ないと言っていいでしょう。敢えて言うなら、朝は緑茶の煎茶、食事時にはウーロン茶、おやつや休憩時には紅茶がお勧めです。

 

ペットボトルが普及している茶類ですが、時には茶葉から温度と時間を考えながら淹れ、その味や香りを楽しみつつ健康パワーも頂くのはいかがでしょうか。

(なお、抹茶については当該ブログの過去の配信(2021.9.17)を参照ください。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

サーチュイン遺伝子を活性化してアンチエイジングするには?

 

いきなり「サーチュイン」という横文字を示されても、初耳の方が多いと思いますが、その働きから長寿遺伝子とも謂われています。

つまり抗老化(アンチエイジング)や延命に関わる遺伝子なのですが、普段は眠っている状態にあり働いていないのです。

 

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          (first-genetic-testing.comより修正引用)

 

そこで本報では、サーチュイン遺伝子を活性化させるスイッチをonにする方法について、紹介します。

  • カロリー制限や腹八分目など食事を控える事を常とする

この遺伝子の発見の経緯となった最も有効な方法です。必要なエネルギー摂取量の70%程度に抑えるのですが、糖質や動物性脂肪を控え食物繊維を摂って腹八分目(特に夕食)を意識することです。

カロリー制限により、細胞の新陳代謝を促進する「オートファジー」も活性化する。

ただし継続しないとダメですので、食が細くなっている高齢者には低栄養になる恐れから勧められません。

 

ウロリチンはザクロに含まれるエラグ酸が腸内細菌によって分解された産物です。

レスベラトロールはベリー類やブドウ、ナッツ類の皮に含まれ、赤ワインで注目されました。

いずれも、食品ではなくサプリでの補給が現実的でしょう。

 

昨年マウスで明らかになった成果で、ヒトではまだ?ですが、効果が期待されています。NMNの摂取がNAD量の増加を促し活性化に繋がります。NADは加齢に伴って減少するので、中高年に有効です。

ただしNMNのサプリは高価ですし、安価なナイアシンは過剰摂取に注意が必要です。

 

サーチュイン遺伝子を活性化する事によるメリットを挙げます。

つまり、この遺伝子を活性化することで、サーチュインというタンパク質(7種)が産生され、次に示す様々な長寿に繋がる効能を発現するのです。

 ・全身性のアンチエイジングを引き起こす:心筋の保護、肝臓や骨格筋の代謝改善、脂肪の蓄積を抑制、インスリンの分泌促進、シミ・シワの改善など

 ・多くの疾患を抑制できる認知症動脈硬化脂肪肝、がん、心血管系疾患、加齢性難聴、など

 

結論として、日常生活の中でサーチュイン遺伝子を活性化させる現実的な方法は、夕食のみを腹八分目に抑え、できるだけウォーキングや筋トレなどの運動を取り入れることです。

これなら無理なく継続できるのではないでしょうか。

 

日本食の伝統でもある「腹八分目」を今一度見直して、単なる延命ではなく、健康長寿を目指そうではありませんか。

(本情報の一部は、Ageless+:サーチュイン遺伝子とは?オートファジーとの相乗効果で若返る?(2021.12.15)を参照しました。また、本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

タンパク源だけでない「卵」の優れた栄養とコレステロールは?

我々の体でタンパク質は、水分を除くと約16%で最も多く、筋肉に至っては80%を占める重要な成分です。

1日に推奨されているタンパク摂取量は、成人男性で60~65g、同女性で50gです(日本人の食事摂取基準2020年版)。

卵(鶏卵)にすると8~10個分との表現もされていて、「卵=タンパク質」のイメージが強いですが、卵はビタミンCと食物繊維以外ほぼ全ての栄養素を含んでいる完全栄養食品なのです。

 

本報では、安価で手軽に利用可能な卵の情報を、改めて紹介します。

 

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まずは卵(生、M1個(可食部50g)当たり)の含有栄養素を一覧に示します。

 主要素:エネルギー 71kcal・タンパク質 6.1g・脂質 5.1g・糖質 0.15g

 ビタミン 110μg・2 0.19mg・B6 0.05mg・12 0.6μg・ 1.9μg・ 0.7mg・葉酸 25μg

 ミネラル:Ca 23mg・P 85mg・Fe 0.8mg・Zn 0.6mg

 

タンパク質以下の太字で示した栄養素は、1日に摂取すべき必要量のほぼ10%以上を占めていて、バランスの良い優れた栄養食品であることが伺われます。しかもタンパク質の質の指標となるアミノ酸スコアは100と良質で申し分ありませんし、他の栄養成分もどんな調理法でもほとんど壊れることがなく安定です。

 

ただ気になるのは卵のコレステロールです。一個当たりに約200mg含まれています。

以前の食事摂取基準では摂取上限がありましたが、2015年版のそれでは撤廃されました。ただ、際限なく摂取してもいいわけではなく、一概に上限は決めにくいだけなので、脂質異常症や血中コレステロール値の高い方は過剰摂取に注意が必要です。

 

では、卵は1日何個食べれば良いのでしょうか?

健常者は1日1個を必須にし、場合によっては1,2個追加してもかまいません。生や茹でだけでなく様々な調理法があるので、毎食でも食べたいところですが、さすがに毎日続くのは避けてください。

 

具体的には、まず朝食に1個摂るのが基本でしょうし、ご飯にもパンにも合うレシピも多く公開されています。後は昼食、おやつ、夕食にケースバイケースで摂っても良いでしょう。

 

コロナ禍で外出を控えがちな現況で、筋肉の衰えからのフレイルが懸念され、栄養不足も実感しにくい今こそ、タンパク源としてだけでなく完全栄養食品としての卵を、見直し活用すべきではないでしょうか。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

慌ただしい年末年始、体調を崩さない「体内時計」の整え方

これからの10日間ほどは仕事が休みでも、年末に向けてはクリスマスに年越し準備、年が明ければ初詣や新年会などで、不規則な生活が続くかもしれません。

 

そこで本報では、体調を崩さないための「体内時計」の整え方について、既報(2020.4. 2 & 7)をまとめる形で更新リブログします。

 

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体内時計とは、私たちの体の中にある「一日のリズム」を司っているものです。1日が24.5時間の周期です。地球上の時計が刻む生活時間の24時間とは少しズレています。このズレを調節しないでいると、体調不良や様々な病気の原因になります。

 

まず、朝日を浴びることで体内時計(脳の親時計)がリセットされます。陽が差さない曇りでも窓際ならばOKです。

毎朝同じ時刻であるのがベストですが、ズレても1時間以内にすべきです。2時間以上の差は体内時計を狂わし「社会的時差ぼけ」に繋がります。

睡眠時間を確保したければ,、起床時刻を遅らせるのではなく、就床時刻を早めてください。

また、夜寝る前に光(昼白色)、特にブルーライトを浴びると、体内時計が後ろにズレるので避けるべきです。

 

次に朝食は起床後1時間以内(夕食から10時間は空ける)に摂ることで、胃腸など臓器の子時計がリセットされます。

朝食の中身は、糖質とタンパク質に加えて水溶性食物繊維も揃えるのがベストです。

 

また食べ物によって、体内時計を動かすものと動かさないものがありますが、朝食には動かすものが良く、夕食は動かさないものが良いのです。

具体的には、前者はグリセミックインデックス(GI)値の高いもので、後者では低いものになります。

 ・GI値:白米・パン・ジャガイモ・砂糖・チョコレートなど

 ・GI値:野菜・海藻・果物(パイン・バナナ除く)・大豆製品など

要するにインスリンの分泌を促すものが、体内時計を動かしてリセットしやすいことになり、朝食に適しています。

 

コーヒーなどカフェインの多い飲み物は、朝はOKで夜はNGです。ミルクやヨーグルトは夜に摂るのがベターで、骨粗鬆症予防にも繋がります。

魚油が体内時計を大きく動かすことも明らかになり、リセット作用や時差ぼけ解消に効果的です。

 

その他、体内時計を整え快眠に導く方法をいくつか挙げます。

 ・夕方に運動、特に有酸素運動や筋トレを行う

 ・就寝の2,3時間前までに入浴し、体温を上げる

 ・寝酒は眠りが浅くなり睡眠の質を下げるので、避ける

 

いずれにしても、できるだけ規則正しい生活を心掛けることが肝心なのですが、そう理想的にはいかないのが現実でしょう。

でも、仕方がないと諦めてダラダラ過ごすのではなく、体内時計のことを頭の隅に入れておき、少しでも整える方法を実践することで、体調の崩れを抑えるようにしましょう。

 

これからの年末年始を、楽しく有意義にお過ごしください。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

年末年始の飲酒、悪酔いしないアルコール摂取量と予防法

年末年始の大勢での宴会はコロナの影響で自粛かもしれませんが、逆に少人数での外飲みや家飲みは増えるのではないでしょうか。

 

いずれにしても飲酒の機会が増える年末年始に向けて、当該ブログでも「飲酒」は3報を配信済み(2018.12.7&13,2020.1.9)ですが、本報では改めて、既報の更新リブログをしつつ、アルコール摂取量に焦点を当てて情報提供します。

 

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まず酒類の定義ですが、酒税法によれば「アルコール分1度(%)以上の飲料」のことで、アルコールとはエタノール(エチルアルコール)という成分です。

従って、ノンアルコール飲料はアルコールが1%未満のものを指します。もちろん0%もそうですが、0.5%でも0.9%でもノンアルコールと表示できます(一部にアルコールの表示あり)ので、注意が必要です。

 

また酒類の違いによりアルコール度数(%表示)がマチマチ(3~96%)なのは周知のはずです。

厚労省の示す節度ある適度な飲酒量は純アルコールで20g/日程度です。これを代表的な酒類に当てはめると次のようになります。

 ・ビール(5%) → 500mL・日本酒(15%) → 170mL

 ・焼酎(25%) → 100mL・ウィスキー(43%)→ 60mL

当然ですが、アルコール度数の高い酒類ほど適度な飲酒量は少なくなります。ちなみにこの値は、アルコール摂取量(g)の計算式:飲酒量(mL)×(アルコール度数(%)÷100) ×0.8(g/mL))から

 アルコール20gの飲酒量は<2500÷アルコール度数> 

で概算できます。チャンポンしても活用可で、例えば2種類を10gずつ飲みたい場合は上式に10/20をそれぞれ掛ければOKです。

 

酔い」は摂取したアルコールの行方と関係します。

アルコールは胃や小腸で吸収されて血中に入り、全身を巡りながら肝臓で分解されます。酔いの程度は血中アルコール濃度に依るのですが、これは飲酒量と分解能力のバランスで決まります。

すなわち、飲酒量が多い程かつ分解能力が弱い程、悪酔いに繫がるわけです。

なお、日本人の半数近くはお酒に弱く(アルコール分解系酵素活性が弱い)、特に女性はアルコールの影響を受けやすいので、悪酔いしない飲酒量の自制が欠かせません。

 

最後に、血中アルコール濃度を急激に上げない(悪酔いを防ぐ)方法を挙げます。

 ・空腹で飲まずに事前にチーズやサラダを食べておく

 ・ツマミと共にゆっくり飲む

 ・忘れずに水も補給する

 

飲み会に、最初から飲酒量を頭に入れておくのは無粋かもしれませんが、楽しい雰囲気を台無しにしないためにも、多少の心構えは必要ではないでしょうか。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

間食好きで運動不足の人、脂質異常症に注意!

コロナ禍で運動不足を自覚している人は多いはずですし、元々運動嫌いの人もいますが、そんな方が間食、特にスウィーツに目がないと、先ずは肥満を気にします。肥満は見た目や体重のチェックで容易に判りますから、対処もしやすいはずです。

一方、脂質異常症はサイレントキラー(静かなる殺し屋)のひとつですので、自覚症状がほとんどなくやっかいなのです。

 

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本報では、脂質異常症の定義や判定基準を確認し、その予防・改善のための食事法を紹介します。

 

脂質異常症とは、血液中の脂質の値が基準値から外れた状態のことを言います。2007年に高脂血症」から改称されました。

脂質の異常には、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)HDLコレステロール(善玉コレステロール)トリグリセライド(中性脂肪)、それぞれの血中濃度の異常があります。

 

コレステロールに関しては、当該ブログで「コレステロールの新常識」と題して、既に2報を配信しています(2018.9.7 & 9.14)ので、それらに続く第3報と捉えると理解が深まるはずです。

 

次に、脂質異常症の判定基準値を示します。

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基準値を見ると、LDLコレステロール中性脂肪は基準値以上に高い場合が異常となるのに対して、HDLコレステロールは低い場合が異常になります。これが「高脂血症」という言葉が使われなくなった理由です。

 

血液検査を受けると、その報告書にそれぞれの分析値が示され、基準値内か高値か低値かが判る印(*)が付いています。

脂質異常症や境界域と判定されて放っておくと、動脈硬化から狭心症心筋梗塞脳卒中に繋がり、危険です。

 

早速、食事療法など生活習慣の改善に取り組むべきです。

 1) LDLコレステロールが高い場合:特に食事に注意

 → ・コレステロールを多く含む食品を避ける(卵類(鶏卵や魚卵)、内臓類(レバーやモツ)、鰻・イカ・エビなど)

  ・コレステロールを増やす食品を控える(飽和脂肪酸を多く含む動物脂やバター・クリームなど)

  ・コレステロールを減らす食品を積極的に摂る(多価不飽和脂肪酸や食物繊維を多く含む魚類や大豆製品、野菜・海藻など)

   2) HDLコレステロールが低い場合:食事よりもむしろ生活習慣の改善 

 → 禁煙や有酸素運動などで体を動かす

   3) 中性脂肪が高い場合:カロリーの過剰摂取に注意

 → 糖分の多い間食や清涼飲料、油物やアルコールの飲食を控え、運動を励行

 

血液検査を受けてなくても、運動不足を自覚し間食好きの人は多いはずです。そんな方はまず体を動かすことに留意し、日頃の食生活を上記の観点(特に3))から見直してみてください。

(本情報の一部は、厚労省:脂質異常(コレステロールなど)の記事を参考にしました。また本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)

今が旬の「ブロッコリー」、タンパク質など高い栄養価に注目!

緑黄色野菜を代表するブロッコリーは、輸入物を含めて年中出回っていますが、旬は冬の時期の11~3月です。

野菜としてはタンパク質やビタミンCが豊富で、他の栄養素も含めた高栄養さが健康や美容に繋がると注目されていますので、本報で改めて紹介します。

 

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そもそもブロッコリーは花蕾(花序と茎)を食用としていて、食品成分表では花序の分析値(100g当たり)を掲載しています。その主な成分を加熱法の違いで比較した値を下表に示します。

    

 食品/成分

エネルギー

タンパク質

カリウム

ビタミンC

         (単位)

  (kcal)

     (g)

(mg)

  (mg)

ブロッコリー(生)

   37

   5.4

460

  140

ブロッコリー(茹で)

  30

   3.9

210

    55

ブロッコリー(レンジ)

   57

   5.7

500

  140

ブロッコリー(焼き)

   84

   9.9

820

  150

ブロッコリー(油炒め)

 109

   6.9

590

  130

 

生でも食べられるのですが、一般的には茹でるケースが多いはずです。しかし、茹でると水溶性の成分が流出し、生より栄養価が低下する(特にビタミンCは約1/3)ので、避けるべきです。従って手軽には電子レンジ加熱ですが、より栄養効率が高いのは「焼きです。

 

では具体的な栄養・健康成分を確認(含有量はレンジと焼き)していきます。

 ・低エネルギーの割りに高タンパク:約6~10g含有しかつ良質(アミノ酸スコア80)で、カロリー当たりのタンパク量(g/kcal)は0.1以上で大豆製品を凌ぐ。

 ・ビタミンCが豊富:140~150mg含有し、レモンの約1.5倍で温州みかんの約5倍ある。

 ・ビタミンB群(B6,葉酸等)やカリウム、食物繊維の含有量は野菜類のトップクラスで、脂溶性ビタミン(A(β-カロテン),E,K)や他のミネラル(Ca,鉄等)も含む。

 ・スルフォラファン(前駆体)というアブラナ科特有の成分がある(新芽のブロッコリースプラウトには多量含有)。

 

これらの含有成分から期待できる効能を挙げます。

 ・筋トレ:低エネルギー高タンパクに加えて、B6やテストステロン(男性ホルモン)分泌が筋肉増強にプラス。鶏胸肉などの動物性タンパク質との併用でより効果的。

 ・アンチエイジング(生活習慣病予防や美肌効果):ビタミンCやA・Eの抗酸化作用。

 ・免疫力アップ:ビタミンC・Eやβ-カロテンの作用。

 ・がん予防や肝機能改善:スルフォラファンの抗酸化作用や解毒作用。

 ・他にも便通改善(←食物繊維)や貧血予防(←葉酸,鉄)

 

ブロッコリー高栄養に割に、一房(約400g前後)が百数十円ほどのお手頃価格です。料理の主役には成り難いかもしれませんが、付け合わせやサラダなどに意識して活用(多数のレシピ公開)することで、その優れた効能の恩恵を是非受けてください。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)