Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

食欲の秋を代表する食材「サツマイモ」は、焼き芋が一推し!

秋と言えば「食欲の秋」と謂われますが、その由来は、秋になると多くの食材が旬を迎えるのでいつもより食欲が増す、とのこと。

本報では、そんな秋が旬の食材を代表する「サツマイモ」について紹介します。

 

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先ずはサツマイモの主な栄養・健康成分の含有量ですが、ジャガイモと比較(皮なし、茹で、100g当たり)すると次の様になります。

 

            エネルギー    タンパク質     糖  質    食物繊維     ビタミンC
 (単位)     (kcal)     (g)     (g)     (g)       (mg)
ジャガイモ         76           1.9            15.1          3.5              11
サツマイモ       131           1.2            30.3          2.3              29
 

この表で見る限り、サツマイモはジャガイモに比べて、タンパク質や食物繊維ではやや劣るが、糖質でほぼ2倍、それを受けてエネルギーも約1.5倍程ある。但しGI値が、白米飯(サツマイモよりエネルギー・糖質とも微増)の70に対して、サツマイモは50程と低くて血糖値を上げ難い

ビタミンCは果物並みに多く、しかもデンプンに守られて加熱による損失が少ない

またヤラピンという特有成分(切り口から浸み出る白い液体)があり、食物繊維との相乗効果で便秘改善に効く。

 

サツマイモも特徴は甘くて栗のような美味しさなので、芋ご飯やおかずにも利用できますが、やはりおやつが定番(焼き芋、スイートポテト、大学芋など)ではないでしょうか。

中でも一推しは「焼き芋」で、今や第4次ブームと謂われており、熱々を食べるだけでなく冷やし焼き芋冷凍焼き芋まで出てきています。

 

焼き芋は家庭でも電子レンジやトースターなどでも作れますが、美味しくするコツはじっくり加熱することです。すなわち70℃前後を保つと、酵素がデンプンを麦芽糖に分解して甘味が増します。

もう一つより美味しくするには、追熟して甘くなったイモを使うことです。買ってきたら、湿気の少ない常温の場所で2~3週間保存すると良いでしょう。

 

最後にサツマイモの品種ですが、品種改良が進んで50種類以上が出回っています。

焼き芋と言えば安納芋が火付け役で有名ですが「ねっとり系」で、紅はるかもそうです。「ほくほく系」では紅あずま、両者の中間の「しっとり系」には鳴門金時や新種のシルクスイートがあります(この食感の系統別分類は諸説あり)。

中身の色も黄色が一般的ですが、紫色(アントシアニンパープルスイートロード等)やオレンジ色(β-カロテンでハロウィンスイート等)もあります。

 

食欲の秋にスイーツは別腹とか。焼き芋を始めとするサツマイモスイーツを楽しんでみては如何でしょうか。

(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)