Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

今、注目のファイトケミカル(その1:定義とその種類・成分)

ファイトケミカル」という横文字語を聞いたことがありますか?
「ファイト(あるいはフィト)」とはギリシャ語で植物のことで、「ケミカル」は化学物質です。動物と違って動けない植物が紫外線の害や虫などの天敵から身を守るために作り出した物質なのです。
 
植物の色や香り・アクなどの成分で、現在1万種類以上が確認されています。抗酸化作用や抗がんなどの生体防御作用、免疫力を向上させる機能などで、五大栄養素、食物繊維に続く「第7の栄養素」とも言われています。

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その種類は物質別には主に5種類(ポリフェノールカロテノイド類含硫化合物グルカン類テルペン類)ありますが、ここでは分かりやすく、食材を色別に7種類にまとめてみます。
 
  1. :トマト・スイカ(リコピン)、唐辛子・赤パプリカ(カプサイシン)
  2. :人参・カボチャ・柿(カロテン)、ミカン(β-クリプトキサンチン)
  3. :玉葱(ケルセチン)、大豆(イソフラボン)、トウモロコシ・キウイ(ルテイン)
  4. :ほうれん草・ピーマン・ブロッコリ・ニラ(クロロフィル)
  5. :紫キャベツ・ナス・ブドウ・ブルーベリー・黒豆(アントシアニン)
  6. :ゴボウ・コーヒー豆(クロロゲン酸)、緑茶(カテキン:渋味)
  7. :大根・長ネギ(イソチオシアネート:辛味)、セロリ(グルタチオン)、ニンニク(硫化アリル:刺激臭)(グルカン)、柑橘類(リモネン:香味)
 
これらの色を意識して、なるべく複数の食材を摂取すると、バランスが良く相乗効果も期待できます。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)
次報では、ファイトケミカルの上手な摂り方について、より具体的に紹介します。