今こそ見直そう「ビタミンD」の効能の重要性
必須栄養素であるビタミンは13種類ありますが、その中で「ビタミンD」は、骨に関わる働きがあって骨粗鬆症予防になるくらいの認識ではないでしょうか。
ところが近年、骨との関わり以外に、免疫力向上やアレルギー症状の改善、抗がん作用、花粉症やうつ病・不妊症との関連など、多彩な効能が明らかになってきています。
つい最近では、血中ビタミンD濃度が高いとCOVID-19(新型コロナ)の感染リスクや重症化率が低い、という報告も示されました。
そこで、特に冬には不足しがちになるビタミンDの有効性を高める方法について紹介します。
そこで、特に冬には不足しがちになるビタミンDの有効性を高める方法について紹介します。
まずビタミンDの種類ですが、主に植物由来のD2と動物由来のD3の2つに大別されますが、両者の体内での生理活性はほぼ同程度とされています。
次にビタミンDが多く含まれる食品(一食分)を挙げます。魚介類やキノコ類には多いのですが、肉類は少なく、穀類や野菜・果物類には含まれません。
・サケ(一切れ/80g) → 25μg・イワシ(丸干し/30g) → 15μg
・ブリ(一切/80g) → 6.4μg・しらす干し(半乾燥品/10g) → 6.1μg
・全卵(ゆで/50g) → 0.9μg
・きくらげ(乾燥品2g) → 1.7μg・干しシイタケ(6g) → 0.8μg
なお、食品に含まれているのはビタミンDの前駆体(プロビタミンD)で、他に皮膚にも前駆体が存在していて、いずれも肝臓と腎臓を経て活性型のビタミンDに成ります。
ビタミンD摂取の目安量は8.5μg/日(18歳以上の男女)ですが、実際の一日摂取量は7μg程(国民健康・栄養調査(2018年))で、摂取不足(特に青年層)が明らかです。また、脂溶性のビタミンなので耐容上限量(100μg/日)が設定されていて、過剰摂取のリスクもあります。
ともかく、活性型ビタミンDの血中濃度を高めるためには、上記の食品摂取だけではなく、皮膚に紫外線を浴びる、つまり日光浴する必要があります。有効な紫外線は直射日光や屋外の日陰(服やガラス越しは無効)で、夏場で少なくとも10分程度、冬場には30分は浴びてください。
今の時期(冬場、特にコロナ禍)は外出がままならず、日光浴ができ難い状況です。散歩やウオーキング、庭先やベランダに出るなど(肌の露出)を意識して、ビタミンDの多彩な効能の恩恵を受けるように心掛けましょう。
(本文中の下線部の詳細については、インターネット等の情報で確認してください。)