認知度低い「マグネシウム」、重要だが不足がち!
「マグネシウム(Mg)」は五大栄養素の一つミネラルの主要な一種で、体に必須だが体内で合成できないため、食品から摂取しなければいけません。
しかし現代日本人の多くはマグネシウム不足に陥っているにもかかわらず、その重要性があまり認知されていないので、本報で明らかにしようと思います。
まずはマグネシウムの機能ですが、多岐にわたっています。
・エネルギー産生に関わる酵素を活性化させる
・骨の柔軟性や弾力性を高める
・筋肉の動きをスムースにする
・体温や血圧を適正に保つ
・神経情報の伝達を正常に保ち、ストレスを鎮める
従って、マグネシウムが不足すればこれらの機能に支障を来し、糖尿病や高血圧など様々な病気・不調の引き金になる訳です。
食品に含まれるマグネシウム含有量は精製・加工されるほど減るし、塩分の摂りすぎやストレスで体内マグネシウムの尿中排泄量が増えることが、現代人のマグネシウム不足の背景にあるのではないでしょうか。
カルシウムの摂取不足も指摘されて久しいですが、カルシウムとマグネシウムをバランス良く(ほぼ2:1)摂取することが重要であり、両者が拮抗することで、体の様々な機能が正常に保たれるようになるのです。
成人男女(30~64歳)のマグネシウム1日推奨量は370mgと290mgですが、若い世代ほど摂取不足が目立ち、男性で100mg以上、女性でも50~80mg程足りません。
そこで、マグネシウムを多く含む食品の頭文字をつなぎ合わせた標語が考案されました(下図)。
(*)
これらの食品にはマグネシウムに加えて、ビタミン類・タンパク質・食物繊維も豊富なので、一食品に偏らず、毎日の献立に取り入れるようにしてください。
主な食品(上図)のマグネシウム含有量(100g当たり)は、次の通りです。
・バナナ 30mg・焼きのり 300mg・木綿豆腐 60mg・ごま 360mg・切り干し大根(乾) 160mg・サバ缶(水煮) 30mg・納豆 100mg・くるみ 150mg
“アンチエイジングミネラル”といっても過言ではないマグネシウムを毎日十分に摂取し、元気で生き生きと過ごそうではありませんか。