Dr.トムの 「食と健康」 情報ブログ

健康の視点を通して、「食」に関するタイムリーな情報を、専門家の立場から提供します。一記事は1000字程度にまとめ、ほぼ週一のペースで配信する予定です。 読者にとって、ヘルスリテラシーを養う一助になれば幸いです。

伝統食材「梅」の健康効果で夏バテ解消を!

日本古来からの伝統食材である「梅」は、元々薬として使用されており、主に加工して保存食として食されてきていました。特に夏場の食欲が低下しているときには、酸っぱいものが効果的と言われていますので、改めて梅の健康効果を紹介します。 梅と言えば、酸…

熱中症予防の水分補給で、注意する点は?

遅い梅雨明けと共に、猛暑の夏がやって来ました。 この時期に必ず急増してくるのが熱中症で、その予防としての水分補給が重要であるとされています。 しかしその水分補給も、喉が渇いたと自覚してから飲んだのでは手遅れ、とされており、一口に水分と言って…

「夏バテ」の原因と梅雨明けからやるべき解消法(主に食事)

ジメジメした梅雨が明けると猛暑の夏がやってきます。昼間の体へのダメージと夜間の睡眠もままならず、体がダルかったり食欲が落ちたりするのが「夏バテ」です。 夏バテとは、夏特有の高温多湿の環境が原因で、体が正常に機能しなくなって起こる体調不良のこ…

夏を代表する食べ物「スイカ(西瓜)」の健康効果

夏の食べ物として思い描くのは、まず「スイカ(西瓜)」ではないでしょうか。西瓜と書くのは中国の西方から伝来した瓜からで、スイカと読むのは西瓜の唐音が訛ったとのこと。 冷えたスイカはみずみずしくて美味しく、当に夏にぴったりです。夏前から果物コーナ…

今、見直されている「漬物」の健康効果

和食の基本として、昔から「一汁三菜」と言われます。主食であるご飯に味噌汁、主菜(おかず)に副菜二品という組み合わせですが、そこに必ず香の物(漬物)が添えられていました。漬物は日本人には伝統的な食べ物ですが脇役でしかなく、近年では塩分過多の心配…

認知症に有効とされる「マインド食」とは?

マインド(MIND)食とは、地中海食(穀物や乳製品、オリーブオイル、野菜・果物が中心で心疾患予防に有効)とダッシュ(DUSH)食(塩分と炭水化物を控えて塩分排出作用のあるミネラルと食物繊維を摂ることで高血圧予防に有効)を組み合わせた食事法のことを言いま…

発酵食品である納豆の健康効果は?(その2:新製品、食べ方)

「安い・美味しい・ヘルシー」と三拍子揃った納豆ですが、最近は食わず嫌いの関西でも「体に良いから食べる」という人が増えているとのこと。その消費額も近年の減少傾向を脱して、ここ数年は年々増加の一途だそうです。 当然、納豆は新製品の開発も盛んで、進…

発酵食品である納豆の健康効果は?(その1:含有成分と健康効果)

7月10日は「納豆の日」です。7(なっ)と10(とう)の語呂合わせで、関西での消費拡大を目的に制定されたとか。 大豆製品の中でも優等生なのが発酵食品の「納豆」で、ご飯のお供として食卓の定番になっていますが、意外と知らないことが多いのではないでしょう…

キウイフルーツは手頃で栄養価の高い貴重な果物

キウイフルーツは年中店頭に並んでいますが、4月~12月頃は輸入物で、12月~4月頃は国産物と住み分けられています。輸入物の主な産地はニュージーランドで、元々は中国原産の「支那猿梨」という果物ですが、ニュージーランドに持ち込まれて国鳥のキーウィの…

タンパク源としての「ちくわ」の利便性

魚肉が原料の練り製品として、蒲鉾(かまぼこ)や竹輪(ちくわ)、さつま揚げ等はよく知られており、それなりに食卓にも上っているはずです。 本報では、その中でも「ちくわ」を取り上げ、あまり知られていないタンパク源としての利便性を、改めて紹介します。 …

夏に向かう時期の水分補給には、「麦茶」を!

真夏日になる日も珍しくない今日この頃ですが、コロナ禍でマスクの着用が常態化する中、特に熱中症対策として水分補給が欠かせません。 経口補水液に目がいきますが、安価で手頃な「麦茶」を勧めたいので、紹介します。 お茶と名が付けば、同じ茶葉から製法…

ナッツの女王「ピスタチオ」の健康効果

前報の「ナッツ類」での具体例に「ピスタチオ」も取り上げましたが、改めて、ナッツの女王と言われている由縁を、もう少し掘り下げて紹介します。 元々は現イランなどの地中海沿岸地方が原産で、独特の味わいと実が鮮やかな緑色をしているナッツです。ナッツ…

栄養豊富な「ナッツ類」の健康への功罪

間食にちょっとつまんだり、お酒のつまみに手軽で重宝される「ナッツ類」ですが、その栄養豊富さから、単なるつまみの域を超える扱いになってきていますので、改めてその情報を提供します。 ナッツ類は種実類に分類(日本食品成分表)され、その内の木の実の…

新しいタイプのタンパク食材:大豆ミートとは?

大豆は昔から和食の食材として、日本人の重要なタンパク源(畑の肉)としての位置を占めてきました。そのまま煮豆や総菜として使われる他、豆乳にして豆腐・油揚げ・おから、発酵させて納豆・味噌・醤油など、多彩な加工食品としても重宝されています。 さて、大…

ステイホームの今こそ、「朝食」の重要性を見直そう!

我々は一日に3食(朝食、昼食、夕食)が基本の食生活を送っています。その3食の中で、多くの方は恐らく、夕食のウエイトがかなり高いのではないでしょうか。また時間がないからと、朝食を摂らない、あるいは簡単に済ます方も多いはずです。 しかし、最近の時…

体に必須の栄養素「タンパク質」の重要性とは?(その3:具体的な摂り方)

本報では、前報でのタンパク質摂取の考え方を踏まえて、具体的な摂り方を紹介します。 まずタンパク源を動物性と植物性に分けて、それぞれの特徴を整理しておきます。 A.動物性タンパク質食品(肉、魚、卵、乳・乳製品など) ・タンパク質は良質(アミノ酸ス…

体に必須の栄養素「タンパク質」の重要性とは?(その2:摂取の考え方)

前報で体のタンパク質は作られては壊されていて、常に日々新しいタンパク質を作る必要があること、そのためには体内で材料であるアミノ酸、特に必須アミノ酸が不足しないようにすること、を明らかにしました。 では毎日の食事のタンパク質摂取において、何を…

体に必須の栄養素「タンパク質」の重要性とは?(その1:推奨量と質)

コロナ禍で不要不急の外出自粛が要請されている中、筋力を保つ上でも欠かせない「タンパク質」の重要性を、今一度再認識して頂きたく、3報に渡って紹介します。 そもそも「タンパク質(protein)」の語源は、ギリシャ語の「proteios」で「第一の」とか「最も…

感染症対策:免疫力を高める食事とは?

コロナ禍の中、もし感染したら大丈夫なのか、と不安に感じている人も多いはずです。そこで、体を病気から守るとされている「免疫」について、改めて紹介します。 免疫とは、疫(病気)を免れることを意味しています。免疫力はその能力を表し、加齢はもちろんス…

今、見直されている優れた栄養食材「おから」(豆乳の絞りカス)

外出自粛の時節柄、毎日の食料調達もままならない状況ではないでしょうか。 そこで、安価で重宝な食材「おから」(保存が利くタイプあり)について、紹介します。 「おから」は、大豆から豆腐を製造する際に出る豆乳の絞りカス(別名「卯の花」)です。その大半…

体調を司る体内時計(その2:食事が及ぼす影響)

前報で、体内時計(それを調節しているホルモン)が光の影響を受けることを明らかにしました。 朝、太陽光を浴びるのが理想ですが、曇りの日でも窓際で30分位は浴びたいですし、昼間も夕日も浴びるのが良いのです。しかし実際にこれを実行するのは、なかなか…

体調を司る体内時計(その1:定義とその役割)

新年度が始まりましたが、何らかの環境が変わることで、体調が崩れることを懸念している人も多いはずで花井でしょうか。そこで、当該ブログでも配信済みの「体調を司る体内時計」の話題ですが、少し加筆修正をして更新リブログします。 一昨年のノーベル医学…

コーヒーは健康に良い?悪い?(その2:有効成分と飲む限度)

コーヒーに含まれている2大成分と言えば、「カフェインとポリフェノール」です。どちらにも共通して抗炎症や抗酸化という良い作用があります。 しかしカフェインは諸刃の剣で、よく知られている覚醒作用の延長上に集中力向上や疲労感緩和がありますが、途切…

コーヒーは健康に良い?悪い?(その1:コーヒー悪者説からの変遷)

コーヒーは日本のみならず世界中で愛されている飲み物ですが、「健康に良いのか悪いのか」、「1日に何杯までOKなのか」の論争はつきません。 そこで本報では、最近の研究成果に基づいたコーヒーにまつわる情報を提供します。 そもそもコーヒーはタバコや酒と…

糖化と酸化の健康への悪影響の予防は?

最新の前2報で、老化の元凶が「糖化」であり、終末糖化産物(AGEs)が体内に留まるのを抑える対策法について紹介しましたが、一方、体の「酸化」がアンチエイジング(抗加齢)の敵であることは、糖化が注目される以前から周知のことでした。糖化が「焦げる」に…

老化の元凶「糖化」とは?(その2:食品中のAGEs)

前報で、体の中での糖化による終末糖化産物(AGEs)の生成と蓄積が及ぼす影響(糖化ストレス)について記し、特に食後高血糖が最大の要因であることを紹介しました。この食後高血糖を予防する対策法については、前報<健康的な糖質摂取は?(その3:血糖値を上げ…

老化の元凶「糖化」とは?(その1:定義とその影響)

糖質のテーマに関連した続編として、最近話題の「糖化」について紹介します。 まず糖化の説明です。糖化といえば、以前の化学では、デンプンなど高分子の糖類を低分子の麦芽糖やブドウ糖に分解することでしたが、近年では専ら、糖がタンパク質と結びつき加熱…

健康的な糖質摂取は?(その3:血糖値を上げない工夫)

血糖値とは血中に含まれるブドウ糖の濃度を指しますが、空腹中の正常範囲は70~110 mg/dLとされています。毎食後は当然の如く上昇しますし、途中でも糖分を飲食すれば上がりますが、その時の飲食量・食べる順番や食べ合わせによって、血糖値は変わってくるの…

健康的な糖質摂取は?(その2:糖質摂取の目標量)

前報で、1日の糖質摂取量が多い場合の300g(PFCエネルギー比60%)から極端に少ない場合の60g以下まで様々なケースを紹介しましたが、本報では健康を念頭に置いた糖質の摂取量に言及します。 まず糖質摂取量の目標値を決める根拠を紹介します。 現在の日本…

健康的な糖質摂取は?(その1:糖質摂取のあれこれ)

前報の「脂質より糖質の摂取量が問題!」の中で、糖質の摂取量がPFCエネルギー比で60%程度と多い場合から、ダイエット目的での厳しい糖質制限を行う場合(もちろんその中間のゆるい糖質制限の場合)まで、ケースバイケースがあることを紹介しましたが、本報で…